"Moment"
ポートワシントン ライブラリーギャラリー 2/17/2002
長谷川ゆかは、風景、街角のシーンや、静物画の中で、 身近に見受けるものと、描く事への愛情ゆえに、結合させ描いています。彼女のは、色調と素材とが調和しているエリヤを創りだすためよりも、体験した現象を表現たっぷりのジェスチャーに変貌させようとしてます。
“Moment”というこの表示のタイトルに表されているように、 静物画”Moment”は、過ぎ行く時というよりも、長谷川がならべるテーブルの上のビンやボトルやその他よく見かけるオブジェのように 時間にとらわれずに、観念のないタイムレスなものとなっています。
Giorgio Morandiによる、類似の素材の 執拗な扱いにも似てることを思いおこされますが、長谷川の場合、もっとオブジェの息のできる空間を与え、もっと 抽象的に表現しています。結果として、表現されたものわ、実体を離れ、絵そのものが規定する相対的な空間に入りこむ事となります。
都会のシーンは、どれも 均一にスケッチされてますが、ビルが打ちに持つ絶対的な構造をかまえとして しっかりと書き上げられています。巧みなストロークをもって、長谷川は、セッテイングもムードをも定着させています。
“Street Corner” では、暗くぼんやりした構造と驚くべき白のアクセント おそらく電気のついた公衆電話のブース 孤独と なにかへの予感が 空間を支配しています。
“East River"では、だれもいない街路とビルとが気持ちが明るくなるような夜明けの輝きで覆われています。
カントリーサイドで、作家は陽光を カンバスいっぱいに 溢れさせ、タッチがあかるくよりいっそう印象的な効果を生んでいます。
波打つ草や花々、明るく色塗られた家々は、形象と色彩の抽象的にくみあわせたもののなかに 純合されています。
“Field”と”Field II" では、グリーンは、その作品の生気あふれるクオリテイを高めるように強烈なものとなっています。いきいきした赤や、黄色、オレンジ色は、”Hill”や”Junction”のなかで見るものや感じるものの中にあるという証のような場面です。
--- By Helen A. Harrison of New York Times