Tokyo Show in Art Top
March 2008



アートトップ 2008年3月号 “エロスについて 女性作家にインタビュー“

日本人が考えている セクシャルって 違うんじゃない? 

                                                              長谷川 ゆか
ニューヨークを拠点にし、アートとファッションをテーマに活動をしているアーチストの 長谷川ゆかさんが、ちょうど銀座の画廊で個展中。早速お話しいただきました。

 「エロス」って 口にすると とっても禁止用語を発するようで はずかしい気がするけど 活字になると なんだろうって 興味をひきますよね。それほど「エロス」って 日本では とじこめられたイメージがありますが とじこめるから もっといやらしくなって 妄想がSEXYな気分にさせるのではないかしら? 雑誌ではセックスの仕方とか 出会いからデートの仕方など マニュアル的に教えているようですが、そんなことは自分たちでクリエイトするものじゃないのしら?「クリスマスはホテルで」なんて、そんな文化は日本だけ。本当は家族が祝うものなのに、キリスト教を 日本風 マルチ・ミックス・むちゃくちゃカルチャーに取り込んじゃっている。男女の接し合いかたも あまりにも不自然になっている気がして ほんと NYのように生活に 気楽さがない。知り合う機会も、声をかける機会も 普段の生活に あまりなくて、合コンとかネットとか、機会を わざわざ設けないと 出会えないのか ほんと 教科書通り。頭でっかちですね。セクシャルなものって、体からいくものでしょう?恋におちるって 口では 説明できないものでしょう それを 先に頭で考えるから、性犯罪を招いたり めんどうくさいからと セックスレスになるという おかしな方向に 世の中 むかっているのでは??
 論理を離れたところから、愛情なり セクシャリズムが香ってくるのだと思います。子供のほうがずっとナチュラルで 五感に正直。これ好き、これ嫌い。セクシャルなものも、「柔らかそうだから触ってみたい」「いい匂いだから近づいてみたい」エロスって 結局は そういう シンプルなものだと思うんです。
 ファッションも 日本では 女性が着飾るのは 異性のためではなくて、女性同士が 見せあうためのものって感じに 見えますよね。それに 着飾っても ほめてくれる 男性が すくないですよね。。。NYでは、街かどで キスしていたり カップルが 風景の一部になるのですが 日本では レストランでも こっちで おばちゃん あっちで おじさんたちって 「男の群れ」「女の群れ」が 別れていて なんだか さびしい風景ですね。 ダイエットや メイク方法が 雑誌やTVでは 騒いでいるけど さて きれいになって 次は何なの?と なると つまるところ何のためにおしゃれするのかしらって ことになりますよね。
 私は、絵の制作とともに服や帽子をつくっています。お客様が 私の作品を身につけることによって、ドキドキわくわくするようなものを作っていきたいと思っています。私のデザインした帽子は NYでは 「マジックハット」と言われているのですが 私の帽子がきっかけで すてきな男性に声をかけられた人が 多いのです。私自身も 実際にパーティー会場で ボーイジョージや 二キドサンファールに声をかけられ オーダーがきたことで ファッションも自然に仕事になりました。「つくって 着て 出会って・・・」そういう いまの生活を 楽しんでいます。
 私の場合は「エロス」というと、本来の語源のように、「生命」といった方がぴったりくるように思いますね。魂のこもったエネルギッシュなもの。エネルギーを込めたものは人にメッセージをあたえ 人を魅了するのだと思います。作っていく過程でその作家が持っているエネルギーをエロスといった方がよいですね。(談)

《写真キャプション/会場風景》
銀座 ギャラリーミリュウにおけ個展の様子
今回は帽子と平面作品。日本では男性用、女性用が当たり前だが、アメリカで売っていても 性別は あまり考えないそうだ。「ゲイが多いからかしら?」

《作品キャプション》
shoes」 2007年 30×30 キャンバス・油彩

はせがわ・ゆか
京都出身、同志社大学文学部卒。NYスクール オブ ビジュアルアーツ留学。後にファッション工科大学(NY)を首席卒業。近年ではボーイ・ジョージとのファッションショーが話題に。日本での絵画発表はフジヰ画廊(銀座)、日本橋高島屋など。帽子は バーニーズNY本店にて販売。現在、ニューヨーク在住。

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